アマゾン熱帯雨林の大火災

すでにフランスの国土面積ほどを焼失というアマゾン熱帯雨林の火災、どうして?なぜ起きているのか?いろいろ調べてみると、理解に必要な言葉が欠けているのではないかと思うページも多く、私自身の情報の整理と蓄積ためにも記しておきます。

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森林伐採の目的

近年とくに2000年以降、ブラジルでは熱帯雨林の伐採が多く進んでいます。これらの多くは畜産業者によって伐採・開墾、放牧地にして畜産のために数年活用した後、大豆生産者に転売します。土地を手放した畜産業者は、さらにアマゾン熱帯雨林の奥へと伐採・開墾を進めていく、ということが繰り返されています。こうした流れの中で、焼き畑をして土を肥やしながら開墾していくことがこの火災の火種と言われています。

畜産と大豆?

ブラジルは今や世界最大の食肉輸出大国です。スーパーにお買物に行くとブラジル産のお肉をよく見ますね。そして片や大豆は、その多くが家畜の飼料になります。世界的に見ると大豆収穫量の、7割が飼料としての消費です。飼料の大豆ミールにするための副産物として生じるのが大豆油で、ヘルシー志向で豆腐や味噌醤油の生産が大人気!というわけではないのですね。食肉のための畜産と大豆飼料の生産はセットだということなんですね。

やや話はそれますが、「ヴィーガニズム」主義の理由の一つに、こうした食肉産業によるメタンガスや二酸化炭素の排出(地球の温室効果ガス排出量のうち51%)など、環境問題をはじめとする多くの問題への倫理観があります。私自身は食肉でアレルギーが出ても、厳格なヴィーガンベジタリアンにまでは至っていませんが、その意識は理解できる点も多く、少なからず共感してしまいます。

森林伐採と開墾の実態

現在のボルソナロ大統領は森林伐採焼畑を容認してきており就任以降、森林火災が激増している問題が取り上げられることはありますが、森林伐採の背後には農畜産量を増やす以外に、金採鉱業者も多く存在しています。彼らは先住民を追いやるために殺害、上空からガソリンを投下して放火しているともいいます。非情な暴力的手段で開発を進める業者側と先住民族との対立・迫害が、深刻な事態になっているのだそうです。

大きな人為災害

これらの現場のさらに背後には多くの世界的な企業が関わっています。調べてみると原因はブラジル国内だけの問題ではないのだと感じました。巨大な資本主義の影響があることは事実ですし、その中に日本も大きく関係していることに愕然としています。

日本の援助の墓場か? ブラジル北東部開発事業計画 – 印鑰 智哉のブログ